皆さんは都内有数の緑地がある「皇居」が、周辺のビル街に比べると、2度弱から4度も涼しいことをご存知ですか? 環境省によると2007年8月の皇居の平均気温は28度。周辺のビル街は29.8度で、温度差の最も大きい時で4度以上も違ったそうです。そこで、そんな皇居の涼しさを活かして、都心部のヒート・アイランド現象を少しでも和らげようと、東京駅周辺の道路の舗装を変え、街路樹を増やして「風の道」を作る試みが進んでいるそうです。
そんな中、皇居とビル街の間の「お掘り」が涼しい空気の流れを遮っている可能性があることがわかってきました。昼間に温められたお堀の水は、夜になっても28度ほどで気温よりも高くなっていて、せっかくの涼しい空気を温めたり、上昇気流が生じて空気の流れを遮っているかもしれないんだとか。また、お堀の水は主に雨水で循環していないため、アオコが発生したり、水質も悪化しているそうです。
そこで環境省はこの春から、涼しい空気がなぜビル街の方に流れないのかを調べ、合わせてお堀の水を外から引き込み循環させることで水質改善と水温低下につながるのかも検討するそうです。
もちろんもっと緑を増やすことも大切ですが、空気の流れをよくし、涼しさを運んでくれる「風の通り道」をちゃんと作ることも大事。これからはそういったことを考えた街造りがもっと必要になるかもしれませんね。