エベレストは8,848メ−トルと、皆さんもよくご存じの通り、世界一高い山ですが、実は、地球上にはもっとすごい景観があるようです。
例えば、仮に海から水を取り除いてしまうと、そこには今まで見たこともないような海底の地形が出現します。
深さ200メ−トルくらいのなだらかな大陸棚、その先には、深さ数千メ−トルの深海底、海嶺(かいれい)と呼ばれる山脈、噴火活動を続ける海底火山、深い溝の海溝(かいこう)など、海底にも陸上と同じような、変化に富んだ景観が見られます。
特に、海底を走る海嶺の中でも世界最大のものは大洋中央海嶺と呼ばれ、北極海から大西洋の中央を通って、アフリカ、アジア、オ−ストラリアを回り込んで太平洋を横切り、北アメリカの西海岸に至る、全長6万5,000キロ。
ちなみに、陸上で連続した峰を持つ、世界一のアンデス山脈でさえ、全長が7,600キロと言われているので、そのスケ−ルの大きさはケタ違い。
一方、海底から1つの山としてそびえ立つ、ハワイ島のマウナケアは、海面から出ている部分は4,205メ−トルですが、海底から計ると1万205メ−トルにもなるそうです。
この他、海の底に刻まれた海溝の中でも最も深いところは、マリアナ海溝、1万911メ−トルと、こうして数字だけみても海には陸上の変化をしのぐ景観が広がっているということなんですよね。
ちなみに、地球から宇宙に目を向けると、火星にはオリンパスと命名された死火山があり、その高さは2万4,000メ−トル。これは昔、海だった海底から計った高さということなんですが、火星にはこのクラスの山が10数個も発見されているんだとか。
そう考えると、私たち人間が目にしている世界は、大宇宙のほんの1惑星の、ほんの1部分でしかないし、“自分”という存在がどれほど小さなものなのかを考えさせられるような気がします。